COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2019年07月19日

私には師と仰ぐ偉大な先輩が2人います。

一人は商業界ゼミナール全国女性同友会の名誉会長の西端春枝先生。98歳。

もうお一人は『元気に100歳クラブ』代表の向野幾世先生83歳です。『元気が最高のボランティア』という合言葉通りの方です。奈良女子大を出られて、障がい者教育60年。
その著書の『お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい』は障がい者関係の方には有名な本です。
お二人には色々と共通点があります。まず体も頭もお元気。講演を聞かれる時は一番前でメモを取りながらで聞かれます。学ばれる姿勢は常に謙虚で、前向きです。何か事が終われば、必ずお礼状が来ます。何にでも興味津々で好奇心にあふれておられます。
そのお一人の向野幾世先生に、新潟に講演に行っていただきました。クレコスと一緒に仕事をしている社会福祉法人あおぞらさんとの共同開催です。


前日入りしてあおぞらソラシードを見学していただきましたが、その車の移動の途中もランチも夕食も、勿論施設に対しても興味津々。新潟というところを全て知りたいという思いに溢れています。少しの時間でもそこ、見に行きたい!と行動されます。
翌日講演の前には、横田めぐみさんの拉致された海岸線を車で走り、朱鷺メッセの最上階から新潟全体を360度見られ、その興味は尽きません。
当然のことながら、そのご講演もエネルギーいっぱいです。お洋服もアオザイに着替えられ、ご自身のお父様が脳性麻痺でいらっしゃった生い立ちに始まり特別養護学校の教師時代のお話、ご本のやっちゃんとの出会い、そのやっちゃんの15年の短い生涯のお話は涙無くては聞けません。そして先生がぼろぼろになっても持って歩かれている石川洋先生のご本『逃げたらあかん』の表紙。何かから逃げたくなった時に励まし続けられた言葉だとか…
その出版社の編集長だった方は、私の知り合いで東京から新潟まで聞きに来てくださって感動のお出会いをされました。

        
向野先生は退官後奈良たんぽぽの家の設立にかかわられ、今はNPO法人の理事長をされていますが、同居の御子息ご夫婦とお孫さんの家事をされている楽しいお話、「おばあちゃん、いつ死ぬの?」と聞かれたり「おばあちゃんの首に線路があるね」と言われて本気で憤慨していらっしゃる、元気なおばあちゃんの側面もあり、ヨーロッパへ年に一度は会議などで行かれる行動的なところも…しかももったいないからエコノミーで…とおっしゃる謙虚さなど、全てに教えを受けています。
最後には2本のろうそくを出され、まずあなたの心にろうそくの火をともしてください、そしてそれを周りの方に移していってください、一本の明かりが周りに灯されるとき、世の中は明るくなっていく、そのためにもまず自分の心に火をつけて。と『一燈照隅 万燈照国』のお話を皆さんに視覚に訴えてその講演を終えられました。
私は先を歩いていただける見事な先輩をお二人も持ち、幸せです。私の後ろに続いてくれている人たちに、この幸せな事柄を何分の一かでもお伝えしたいという思いでの講演会の企画でした。皆さんに喜んでいただけて目標の一旦は果たしました。これからもお二人の背中をしっかりと見ながら頑張ってまいります。